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入学審査官にIESEの入学審査についてのアレコレを聞いてみました その③

今回もIESE Business School入学審査官であり、ご自身もClass of 2016の卒業生でもある西田氏にアプリカント目線で入学審査についての気になるアレコレを聞いてみました。

今回は、推薦状やら面接の評価やら寝技の有無まで、ここまで聞いちゃうの?!っていうくらい聞いちゃいましたよ!

どうかアプリカントの皆様が悔いなく準備が出来ますように!精一杯の心からのエールを込めて今回もお届けします。

 

その①(イベント参加の影響等)についてはこちら

その②(受験のスコアやアプリカントのバックグランドについて)はこちら

 

在校生:西田さん、今回はかなり「受験」にフォーカスした内容が多いですが、引き続きよろしくお願いいたします。

それではまず、推薦書の位置付けを教えてください。参考程度なのか、がっつり影響するのでしょうか?

 

西田さん:数値で明確に示すことは困難です。IESEでは、推薦状2通を要請する多くの他校と異なり、現在は1通のみをお願いしています。出願フォーム上で技術的には3通まで出せます。このような前提であっても特に日本は他校にならい2通出してくる方が少なくありませんが、その数の差分自体がもたらす優位性は全くありません。読む作業がそれはそれで大変なこともあるので、1通で全然いいんですよ、と念のため強調しておきますね (一般的に推薦状を読む作業よりエッセイを読む作業の方が楽しいものです 笑)

 

したがって、他校よりも推薦状の数が少ないことを以て、少なくとも相対的に影響度が低いという見方をすることも一応可能です。しかし、少なくとも建前上は、出願書類の中で受験生本人が一切唯一介入しない部分ということで、そこに書かれている内容は新鮮な第三者目線を伴って受験生の出願書類記載内容の信憑性を高める役割を果たしていますし、面接でそこから派生した質問に及ぶことも考えられます。

 

在校生:私も出願時は1通のみで良いと西田さんがイベントでおっしゃっていたのを聞いて、他校向けには2通準備したもののIESEへは1通しか提出していません。

 

ところで、どなたに推薦状を書いていただくかってかなり悩んだ記憶があるのですが、英語が得意だけれども直属の上司ではない人からの推薦状と、英語が苦手な親密な上司の推薦状どちらの方が効果的でしょうか?

 

西田さん明らかに後者です。推薦者が推薦状を全て記載するという前提に基づき、推薦状記載内容の英語レベルは一切評価対象になりません。その方が英語で執筆することが困難な場合、手動ないし自動の翻訳サービスを利用する等、対応策は複数考えられます。

 

在校生: では、ポジションが上位の人の推薦状(CEOとか)と直属の先輩からの推薦状では、前者の方が高く評価されますか?

 

西田さん前者との仕事上の関係性の深さ次第でしょうか。受験生視点で前者と後者がほぼ同じ関係性の密度であれば、前者を選ぶことが望ましいです。

但し、最も大事なことは、推薦者の方が受験生のことを職業人としての文脈でよく見知っていることです。例えば、年に1-2回くらい軽くお話する程度の間柄でCEOの方に推薦状執筆をお願いすることはお勧めできません。関連して、クライアントも執筆候補者となります。

 

在校生:自分の話ばっかりで恐縮ですが、私はこの方になら何を記載されてもそれで良いと思える方にお願いしました。IESEへ提出した1つは前の部署の上司でMBAという存在を教えてくださった恩人です。ちなみに、その方が何を推薦状に記載くださったのか未だに知りません。結局IESEへは提出しなかったもう1つは、同じ部署の先輩に日本語記載でお願いしてプロに翻訳してもらったものを提出しました。私費なのでMBA受験について上司に言うタイミングが難しかったのと、上司が変わって1年未満だったので先輩の方がより私の仕事ぶりを知ってくださっていると思ってお願いしました。どちらの推薦状も人生の宝物だと思っていますし、作成にご協力いただいた方々にはひたすらに感謝です。MBA受験プロセスって自分の人生を振り返る作業が多いですが、(ぶっちゃけ結構きつかった)社会人生活でこんなに素晴らしい人々と出会えていたことに気づけたし、思い切って受験を打ち明ける程の良い人間関係を築けていた自分を認めてあげられるきっかけをいただいてありがたかったな、と思います。

 

続いて、いよいよ面接についての質問をさせてください。面接は加点法・減点法どちらでしょうか?

 

西田さん前提として、通常、全員がIESE卒業生によって構成される入学審査委員会のコアメンバーが面接官です。

色んな項目で5段階評価をつけて、その上で全体としても5段階評価という運用です。ということで、定義次第ですかね。少なくとも減点法ではないですけど、加点法かどうかは定義次第です。

 

在校生:ちなみに、その5段階評価について、面接官同士で同じ共通の選考基準を持っているのでしょうか?

 

西田さん面接での5段階評価対象となる項目(非開示)は複数あり、そういった意味で、共通の選考基準は存在します。面接後、報告書を書き上げるのは面接官全員の義務です。但し、各項目の確認方法は、面接官がIESE卒業生でもあるということで、面接官個人に大きく依拠しています。

また、日本人の英語運用能力、社費制度の運用など、国など特定の単位ごとに考慮すべき特殊事情がありますので、そういった要素も面接にあたり追加的に面接官同士で共有することがあります。

 

在校生:色々な要素が考慮されているのですね。そういえば、自分の面接時に家族のことについて聞かれたのですが、それはなんでですか?

 

西田さん職業人としてだけではなく人格的にも卓越しているリーダーの育成にIESEは注力してきています。人となりの形成の源泉となるのは家族であることが多いので、そのような質問があったものと思われます。但し、共通質問リストを面接官の間で共有しているわけではないので、こういった質問が常になされるという運用ではありません。

 

在校生:人格まで考慮するのまさにIESEって感じします!

 

ところで、西田さんはこれまでたくさんのアプリカントと面談されているかと存じますが、今まで合格を出した人で、一番印象に残っている人ってどんな人でそれはなぜですか?

 

西田さんこの方は、出願前かなり早い段階で実施した僕との日本語でのOne-to-Oneでもそうだし、その後の他の英語のセッションでも全く同じだったのですが、全ての質問が一定レベルの調査に基づいていたことのみならず、特に、構造的な話し方のおかげで質問の要点がわかりやすく、時間あたりの会話の密度が桁違いでした。したがって、ビジネスパーソンとしての優秀さに疑いを持ち得ませんでした。

また、IESEとの全ての交流機会を楽しんでいる様子が伺え、「合格したい」ではなく「入学して○○したい」という、世界が広がっていくワクワク感が源泉にあることが容易に伺えました。IESE界隈のネットワークも、芋づる式に広げて頂いていました。卒業後の動きについては未確定ながら、多少の仮説を準備しつつ、いずれにせよどんな変化も許容して同じように楽しんでいきたいという姿勢が伺えました。

謙虚さもありながらも自己肯定感の高い方で、それゆえか、特に媚びたり臆したりするタイプでもありませんでした。したがって、イベントの後にはこの方ならではの感想を送ってくれたり、この方がIESEに対して抱く一抹の不安についても率直に話してくれたり、それについて僕の意見を聞きたいと議論の対象として土俵にも上げてくれました。

そんなこんなでこの方からは僕自身たくさんの学びを得ました。僕のエゴや趣味も入っているかもしれませんが、こういう関係性を色んな受験生の方と築けたらいいなぁと思ってます。

 

在校生:それは受験生の鏡みたいな方ですね。素敵です!う~む、就活をはじめ何事にも当てはまると思うので、今からでも見習います!

 

さて続いては、多くのアプリカントの方からもよく質問を受けるこの質問です。他の志望校を言ったらどう思いますか?他の志望校を何のために聞いているのでしょうか?

 

西田さん他の志望校についても、一定の透明性を以て開示される方が良いと思います。特に社費生は立場上単願が希少なことが大多数なはずなので、単願だと言われると真偽を慎重に吟味しようとする気がします。

他の志望校を伺う理由は、MBAにその受験生が求めるものをIESE以外の切り口から探り出すためと、受験している他校との兼ね合いからIESEへの入学可能性を想起する材料にするためと、日程上考慮すべき事項がないか(具体的には既に合格した他校へのデポジット支払期限がIESEのカレンダーと抵触し得るもので何かしらの対応を検討する必要があるか等)を確認するため、等です。

1つ目の理由に関しては、例えばIESE(バルセロナ)と比肩する気候が良い土地の学校を列挙して頂ければそれはそれでわかりやすいですが笑、IESE180度近く色んな意味で異なる学校の名前が上がってくると逆に気になる部分も出てきますよね。

 

在校生:自分なりの軸、選定基準みたいなものを説明できるようにしておけば良いってことでしょうかね。

 

不合格にする際のクライテリアや実例(どういう人がFitしないか)はどのようなものでしょうか?

 

西田さんパターンが無数にありますよね。GMATが極端に低いとか、卒業後に実現したいキャリアに現実感がなさすぎるとか逆に特段の調査なしに何でもいいと開き直りすぎていたりとか、英語のオーラルコミュニケーションのレベルがどう頑張ってもIESEで必要なレベルに達していないとか、人間的な魅力がかなり基本的な水準においても備わっていると言い切れないとか、エッセイがコピペ感満載すぎとか自分の言葉感がないとか(その派生系で本当に他校の名前を書いてしまっているとか 笑)...

絶対にないとは言い切れないのですが、バックグラウンドが他の受験生と重複しているからとかそれが決定打で不合格ということはあまりありません。自分次第という意識が大事ですね。

 

在校生:ちなみに、合否は何人の審査官で判定してますか?面接した人が一人で合格を決定するのか、審査官複数名が回答をもとに判定していくのでしょうか?

 

西田さん入学審査委員会のコアメンバー(IESE卒業生)は委員長(Director)含め12名です。僕もそのうちの1名です。時差その他の兼ね合いから1つの委員会(会議)にはそのうち半分(+α)くらい参加しているイメージです。それ以外に意思決定には直接関与しないサポートメンバーも数名参加しています。

日本からの受験生の場合、委員長(Director)と面接官(面接官が僕でない場合)とアセスメントデイの主たるオブザーバー(アセスメントデイに当該受験生が参加していて、オブザーバーが僕でない場合)と僕が中心になって議論していると思いますが、受験生によっては議論が紛糾するので、全員を本格的に巻き込んでの議論になることもあります。

最終的な議論の場ではこんな感じですが、アセスメントデイ直後には、忘れないうちにアセスメントデイに限定した評価を集まってしているので、そこでは先に述べた主たるオブザーバー以外も色々関与してますね。

 

在校生:議論が紛糾ってさすがIESE卒業生、って思いました。

ん?…複数名で検討っていうことは・・・ひとつ気になっちゃったのでこれ聞いてもいいですか(><)?

日本人候補者における、西田さんの入学審査への影響力の強さを本音で教えてください。ぶっちゃけ寝技(西田さんへのごますり)って通用しますか?ドキドキドキドキ。

 

西田さんこれ、回答するこちらもドキドキしますね 笑

日本ならではの色んな事情、具体的には会社名や業界(特に商社など日本独特の業界)から諸々を想起できる日本人である自分、日本を含むキャリアサービス担当であるがゆえに各受験生のキャリアリスクやキャリアの現実感の判定を最も適切にできるのが日本人である自分、という2点を踏まえると、僕にしか発揮できない影響力は当然存在します。

一方、面接官の意見は最大限尊重されますね。その人の人となりを理解する最適な機会である面接に費やしている労力とそれに基づいて総合評価における面接の割合がおそらく他校よりも大きく、内部でも「efficientじゃないけどeffectiveなプロセスだよね」と時折話しているくらいですので。

色んな外圧は時折あるものの、超公平・実力主義を自認していますので、寝技は効果が全くないかもしれません 笑

 

在校生:ご回答本当にありがとうございました!ここまでの突っ込んだ質問への回答をアプリカントの方に提供出来て、誇らしいです。

 

続いて、面接やイベント参加率・提出物等それぞれのweightを教えてください。

 

西田さんごめんなさい、そういう定量化をしていないので回答がないんですよね。イベント参加率が特に関係しないのと面接の評価が比較的重要なのは確かですが。ちなみに、イベントの参加是非よりもIESE関係者の誰かと多少なりとも話しているかどうかの方が大事でしょうが、一方でその人数で何かを直接測ろうという発想ではありません。

 

在校生IESEの卒業生や在校生と話す機会をアプリカントのみなさまに提供するために、たくさんのイベントを開いていますもんね!

 

受験ラウンドで合格に際し、有利・不利ありますか?各Round毎に重視している点はありますか?得点に多少不安があっても早めのRound(early/1)で受験した方が合格可能性はあがりますか?

 

西田さん以下のページにも明記していますが、ラウンドごとの最低合格基準が流動しないよう注意を払っているため、どのラウンドで出願したから合否に有利ということは特にありません。例外は最後のラウンドである第4ラウンドで、多様性にバランス良く富んだクラスを作るために調整色が強くなり、受験生が外部要素に左右される可能性がやや高くなります。

https://blog.iese.edu/japan/mba-admissions/

 

在校生:私はRound2で出しましたが、日本から受験の同級生にはEarlyRound1Round3もいますね。

 

IESEの奨学金を取得するための基準(スコア等)を教えてください。

 

西田さん奨学金獲得には、早いラウンドでの出願が有利となります。奨学金用のエッセイも含めた出願にあたっての全ての構成要素が考慮されます。GMAT/GREのスコアが優位に働くこともありますが、必ずしも常にそうではありません。

基本はメリットベースですが、家族などの事情を考慮することもあるので、奨学金用のエッセイにはできる限り透明性高くご事情を示して頂くと良いですね。

 

在校生:奨学金にはラウンドが効いてくるんですね。

 

受験の質問はそろそろ終わって、入学後のイメージをつかむためにこんな質問もさせてください。

在学中、とりわけ就職活動において、西田さんからどのようなサポートを受けることができますか?

 

西田さん日本で就職したい方向けのキャリアサービスも担当しており、具体的には、キャリアイベントへの招待等も含めてIESEに興味を持ってくれる企業の発掘、在校生へのキャリアカウンセリング、モックインタビュー(日英)等を行っています。各MBA採用企業との面会内容については、支障のない範囲で学生に情報として随時展開しています。合格直後・渡航前にこうした企業がPre-MBA seminar等も開催していますので、合格直後から卒業頃までがタイムラインになります。

日本の場合、多くの企業がMBA採用向けの道を自分たちで作っていますし、IESEは二年制プログラムゆえに上級生と下級生の間の連携も強固なので、僕がどうこうしなくても仕組み上回っていく部分も少なくないでしょう。他方、日本の主だったMBA採用企業の担当人事様とは全部繋がっていますし、過去の日本人卒業生のキャリア形成についても知識・情報として蓄積していますので、僕自体が平凡でも、周りの重要な利害関係者を繋ぐ触媒としての役割は一定程度果たせているかとは思います。

業界ごとのサポートを受けたかったり、欧州をはじめとした海外就職をしたい場合は、僕で相談に乗れる部分も一応ありますが、基本的にはバルセロナキャンパスで勤務する僕の同僚や各プロフェッショナルクラブに頼って頂く形になります。

 

在校生:いつも西田さんからいただく情報必ずチェックしております。共有いただいた卒業生の活躍の記事とかを読んで、それをもとにLinkedInで連絡を取ってキャリア相談に乗っていただいたり等IESEネットワークをフル活用しております。インターンシップのご相談にものっていただいてありがとうございました。受験前のイベント時点からお話させていただく機会があったので、相談しやすくて心強いです。これもIESEのめちゃくちゃ良いところだと思います!

 

さて、これまで3回に渡ってお届けしてきたこのシリーズ、一旦はここで終了です。(また、質問需要がたまれば続きがあるかもしれませんが)。

 

Class of 2022の在校生の13名が少しでもアプリカントのみなさまのお役に立てたらと、質問事項を洗い出し、自分達がアプリカント時代に知りたかったけど聞きづらかったことまで聞いてみました。いかがだったでしょうか?

なお、「在校生」としてのコメントは私の個人的な意見を盛り込んでおりますので、こんな人が在校生なんだなと合わせて参考になれば嬉しい限りです。

 

これでもかという程の透明性と情報量を提供いただきました西田さん、本当にどうもありがとうございました。

 

 

これを読んでくださったあなたがIESEに興味を持ち、記載された情報をフル活用して受験し、合格し、同じIESE生となる、そんな縁が紡げることを切に願っております!

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TOYONAGA KATSUYUKI