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IESEとColumbiaを比べてみて

2019年の1月から4月にかけて、コロンビアビジネススクールからIESEにエクスチェンジプログラムでお伺いし、感じたことや思ったことについて記録にまとめさせていただきました。MBAプログラムを選ぶ上で重要となる、授業学生層、の2点にフォーカスを置きました。あくまで私の個人的な経験によるボトムアップな感想ですが、MBAを検討されている方のご参考に少しでもなれば幸いです。(就職に関してはIESEでの経験がないため、書いておりません)

 

結論から言うと、IESEもコロンビアも非常に良い学校であり、“どちらが良い”という比べ方は不可能であると感じます。志願者の勉強スタイル、今後のキャリアファーカス、作りたいネットワーク、などの面で自身に”よりフィットする”学校という比べ方が正しいかと思います。

 

授業について:

教授のレベルや得られる知識ではどちらの学校も素晴らしく、大差はないと感じます。学校によって特に力を入れている分野(コロンビアのValue Investing programなど)を除けば、MBA生が身につけるべきコアスキルはどの学校でも同様に得られます。例えばIESEで最初に行ったグループプロジェクトにおいてある会社の企業価値を分析した際、コロンビアで学んだテクニックやセオリーがIESEのチームメイトの考えとまるで同じ授業を取ってきたように共通していたことに驚いたのを覚えています。ただその一方で、教え方やケーススタディの内容には下記のような違いを感じました。


1.      
Case中心型 vs CaseLectureのバランス型

コロンビアでの授業がLecture半分、Case半分なのに比べ、IESEの授業はほぼすべてがCaseでした。最終的に同じ答えにたどり着いたとしても、コロンビアでは教授がその答えに導いていくのに対し、IESEではみんなで議論をしてそこにたどり着く、というイメージです。そのため、IESEでは事前に出された読み物を理解していないと議論に参加できないどころか、何を学んでいるのか分からなくなります。一方コロンビアでは教授が事前に用意しスライドに合わせて議論が進められ、最後にはLearning Summary (学ぶべき要点)のようなハンドアウトも配られます。万が一クラスをミスしても、ある程度は独学で追いつくことができます。どちらを好むかは個人の勉強スタイルによって違うため、体験授業で自身の好みを確認することが重要だと思います。

 

2.       US中心vs Europe中心のケース

当たり前かもしれませんが、コロンビアで使用するCaseのほとんどはアメリカの事例であるのに対し、IESEではヨーロッパの事例が多く使われます。ただ、国ごとのレギュレーションの違いはあっても、大きな意味でのビジネスのやり方に違いはなく、得られる知識に大差はないと思います。

また、コロンビアのケースは誰もが知る大企業の業界的にもハイインパクトな事例が殆どであるのに比べ、IESEでは中小企業の事例も多く使われていると感じました。これには一長一短があると考えています。大企業のケースの方が内容が派手で、興味をそそられることが多いのですが、地に足のついていない議論となる事があります。中小企業のケースの場合、現実味があると同時に、実際のCEOを招くこともできるため、起業やPE, VC投資家などを目指すのであれば、より有力なスキルが得られると思います。

 

3.       教授と学生の距離感

これは本当に個人的な感想ですが、IESEのほうが教授と学生の距離が近いと感じました。カフェテリアで教授と学生が一緒にコーヒーを飲んだり、ランチをしたりする事は日常茶飯事で、個人的なプロジェクトや起業する際のアドバイザーになるケースも良く聞きます。コロンビアでも勿論同様な制度は存在しますが、それを実際に利用する学生は少ないように思います。

 

 

学生層:

IESEとコロンビアの最も大きな違いはやはり学生層のダイバーシティにあると思います。アメリカのMBAはどんなにダイバーシティをうたっても、その大多数はアメリカ人です。IESEでは85%の学生が多国籍であり(2019年現在)、本当に国際的な環境であると感じました。この違いは特に下記のような面で反映されていると思います。

 

1.ケースの議論内容の国際性

コロンビアではケースディスカッションの事例がアメリカの企業についてが多いだけでなく、議論の内容もアメリカの視点、アメリカのやり方に重点が置かれることが多いです。これは意図的ではなく、クラスのマジョリティがアメリカ人/長年アメリカで働いてきた外国人であるための当然の結果です。一方IESEにははっきりとしたマジョリティとなる国籍がないため、学生たちが自国の経験をシェアし合えるバランスが整っていると感じました。乱暴な言い方かもしれませんが、コロンビアは アメリカのビジネスを学ぶ場 であるのに対して、IESE 世界中のビジネスをシェアする場 のように感じます。どの国を基点に就職するか、どの業界なのかでどちらが良いかは変わってくると思います。

 

2.       得られるネットワークのダイバーシティ

学生層の違いはそのままMBAで構築するネットワークの違いとなります。IESEの学生の殆どは卒業後スペインには残らず、世界中(特にヨーロッパ各地)で就職します。そのため、世界中の色々な国に広いネットワークを持つことができます。コロンビアの場合、多くの学生はアメリカ、特にNYで就職します。そのため、得られるネットワークもそこに集中することになります。

一見IESEのネットワークの方が良いように思えますが、一か所でのネットワークの“濃さ”では圧倒的にコロンビアが強いといえます。広く浅く世界中に繋がりがある方が良いのか、それともアメリカやNYに非常に濃い繋がりを持つほうが良いのかは人それぞれだと思います。MBA後のキャリアフォーカスが何なのかでも答えは全く違ってくるといえるのではないでしょうか。

 

本ブログではコロンビアとIESEの違いを授業と学生層の2面で比較してみました。記事の冒頭でも書いたように、どの学校も素晴らしい学校であることは間違いないでしょう。どちらに行ったとしてもキャリアの面で開かれる可能性は無限にあると思います。長文となりましたが、ご精読いただきありがとうございました。

 

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TOYONAGA KATSUYUKI