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リーダーシップについて

 

2017年上旬執筆。筆者は20175月に卒業済み)

 

Class of 2017Oです。

 

現在クラス2017の生徒会をしておりまして、日本人初ということもあり、リーダーシップに関して自分の考えを共有して欲しいとの依頼を受けました。生徒会というのは、4つ(Class of 2018以降5つ)あるセクションに各2名ずつ設けられる「学級委員」のような立場で、学年全体の催しを取りまとめたり、学生からの要望を代表して学校へ伝え交渉する、などの役割を担います。

 

 

はじめに

正直、テーマが大きすぎて、また多くの課題を自己認識している身でもあるので 、大変恐縮しますが、少しでも参考になればと思い、自分の言葉で考えを共有したいと思います。

 

リーダーシップを語るにあたり、2つ悩みました。

 ①リーダーシップってなんだろう。

 ②読み手は何を知りたいだろう。

 

①については一番腹に落ちる言葉は「人・社会への影響力」であると思います。これは授業でも習うかつウェブ/本でも多く語られています。一方で「リーダーシップの形」はその時の環境・目的・本人によって千差万別であって良いと思いますし、事実そうだと思います。例えば孫さんみたいな人もいれば、タモリさんみたいな人も素晴らしいリーダーシップがあると思います。また②については、このブログの読者の多くであろうMBAを目指す人たちを想像すると、リーダーシップを身に付けたい・鍛えたい、中でもIESEを検討される方は国際色豊かな環境でリーダーシップをとりたい、と考えている人が多いのではないかなと。

 

これらを踏まえて、調べればわかることを書くより、私個人(恐れ多いですが、IESEでそれなりにリーダーシップを発揮している)の過去に成長できたと思える経験3つを、そしてIESEで1年半を過ぎ、自分に対して課題と考えている事を正直に共有する事で、このブログをまとめていこうという思いに至りました。

 

私を変えた3つの経験

1つ目の経験は「挫折」です。社会人初期に大きな挫折を味わいました。Microsoft Officeを使った事もなく、英語も使えない、一方で根拠のない自信を持った生意気な新人は当然職場でうまくやっていく事はできず、多くの失敗を繰り返しました。 陰湿ないじめのような経験もしていたと思います。2−3年と長く終わりのないその 挫折は心の奥まで浸透し転職も考えました。しかし「逃げてはダメだ」という「負けん気というか意地」が自分をその場に踏みとどまらせ、自分なりの立ち位置を築く事ができました。この時意識して今も忘れない事は以下でした。

 

 -すぐ近くの人の信頼を勝ち取る(自分のグループの人のみ)

 -期待されている事を忠実に実施する、アウトプットは少しでも予想以上に

-合わない人(好きになれない人)への意識を遮断する(ドライな関係)

 -信頼できる人(メンター、現在の妻)の声を素直に聞く

-信頼を得られるまで、自分のアイデアを積極的に表明しない

 

 

正直、今でも思い出すと苦しかったなぁと思います。しかしその挫折の強さの分、 当時の学びは今の自分のスタイルにも大きく影響を与え続けています。

 

2つ目の経験ですが、シンガポールでのプロジェクトになります。ここでは以前の「挫折」から学んだ「信頼を得られるまで、自分の意見を表明しない」というやり方が仇となり、またしても新しい楔を心に刻む事になりました。

ある国で新商品投入に合わせ新工場を増築、2年後のローンチで一気に販売を3倍にするプロジェクトが決定、販売体制を 量・質ともに変革するミッションでした。現場での各プロジェクトをリードするスペシャリストが必要でアジア7カ国から11名を集めたチームが組成されました。私は当時インド担当経験が最も長いという理由で、唯一の日本人コーディネーターとして参加し営業サプライチェーンリーダーとして、かつチーム全体のコーディネーターとして活動しました。しかしプロジェクト当初、各担当が多くのプレゼンを作るものの、期待されたImplementationに至るまでのアクションはなく、停滞感が高まる状態でした。自分のスタンスはというと以前の学びを踏まえ「チームメート」としてどこか様子を見ていました。しかし、ある日フィリピン人の同僚から強くクレームをされました。そのポイントは「Oがリーダーシップをとってやらないとダメだろう、自分の意見を言わない事多いだろう、失敗してからやっぱりな、とわかった顔するなよ」と。痺れました。自分で自覚していたから。

徐々にスタンスを変え、日本人やパートナー会社の空気を読むのをやめ、問題自体とチームメートその二つに集中し、取り組みました。 その時のポイントは以下。

 

 -自分の意見を最初にいう(反論を恐れない)

 -プロジェクトの目的に照らし合わせて何事も判断

 -日本サイドの上司、現場パートナーの経営陣に対して矢面に立って意見を提言

 -悩んだらチームを率いて現場で事実確認

 -情報共有の仕組みづくり(隔週で経営陣踏まえた進捗議論、議事録の明確化)

 -できる事はなんでもやる、誰よりも働く

 -自分のプライベートな都合も共有(いつ休みたいとか、一緒に飲みに行きたい等)

 

自分のスタイルを変えてから、チーム内での自分の立ち位置も変わり、またチームでの結束力は格段に高まりました。多くの問題に正面から取り組み、各プロジェクトが順当に進み出した気がします。そして何よりも自分が本当に苦しくも充実した毎日を送れていたように今では思えます(当時はギリギリの緊張感と活力で疲れ切っていた気もしますが、笑)。この時のプロジェクトは多機能にまたがり、全社的に注目されていた仕事であり、26歳という年齢で40−60歳代の先輩たちと正面でやり合いいつも最後には助けてもらう事ができ、会社内での認知度も広く上がっていたと思います。まさに自分の内面だけでなく、マーケティングの観点でも「使えない若手」から「何かを成し遂げる変わり者」に認識が変わった時期でした。

 

そして3つ目の経験ですが、日本に帰任し、自らがマネージャーとなり名実ともに若手を率いる時期でした。これまでの経験と情熱を生かして「さぁ、やるぞ」と前のめりになっていた時期でもあります。しかし、最初のチームでは大失敗してしまいました。チームは7人構成で、大先輩と新人が各業務をリードし、4人のアシスタントという構成。担当するパートナー会社からは絶大な支持を得る事ができる一方で 、この新人と信頼関係を築く事が出来ませんでした。また部署全体の若手に対しても良好な関係を築けず、煙たい先輩状態に。これまでの部署での仕事やプロセスを見直し、あるべき姿を行動で示そうと努力した結果、周りからは面倒臭い浮いた上司となっていました。自分でも周りの若手とは歯車があっていない事をわかりつつも、向いている方向が正しいという自信の下、理解される事を待ちました。しかし終にそのチームを担当する中で信頼関係を改善する事はできませんでした。また担当変更の際には自分の上司からもチームマネジメントに 課題がある、しっかりと考えるように、との指摘が入りました。次の担当チームでも似たようなチーム構成で8名のメンバーを率いましたが、この時は最初から悩みながらのスタートでした。自分の想像する「あるべき形の仕事」をもち、そこだけを目指すと周りとコンフリクトが起こり、チームワークを犠牲にするということが課題でした。その課題に気づき、以下を意識するように変えたことで、最終的には良いチームを作り、それまでになかった喜びに気付く事ができました。

 

 -任せる仕事と自分が気合を入れる仕事を見極める

 -任せる仕事は任せる、口を出さない、見守る

 -相談には何においても優先して対応、また雑談を積極的にする

 -自分の仕事は一人でやりきる(小さな作業も巻き込まない)

 -弱音を吐く

 -仕事以外の趣味・自己研鑽に没頭する時間を作る

 -職場の飲み会は思いっきり酔っ払う

 

この時、パートナー会社の次期経営陣も自分のチームに呼び込み、計10名程度のチームを率いましたが、今でも非常に良い信頼関係を維持しています。単純に機会があれば必ず会いたいなと思うメンバーです。そして一番の新しい喜びは、自分のチームメンバーが成長していることを観察でき、また第3者からもチーム全体が成長して良いチームだよね、と言われることでした。そして驚くことに自分は仕事に拘束される時間がぐっと少なくなりました。最初は戸惑いましたが、身心ともに改善できた時期です。

 

長々と書きましたが、いかがでしたでしょうか?

 

似たような経験をお持ちの方もいれば、このタイミングでそんなことに気づいたの?と驚かれた方もいらっしゃるかと思います。しかし、一つの事実として、自分のようにあまりに能力のない人でも、失敗を繰り返しながらも、IESEという環境でそれなりに信頼してもらえる立場に成長できるということを。

 

そして長年お世話になってる妻からの評価は、「年齢を重ね、失敗を繰り返す中で、すごく変化してきたと思う。しかし俯瞰してみると実のところ本来の自分の姿に素直になってきている気がする」とのことでした。つまり作り込んで虚勢を張っていた自分から、本来の自分に素直になれるようになってきているのではとのことでした。(もしくは自分の器の大きさを受け入れるようになってきた)

 

最初の問いであった、リーダーシップを磨く方法の一つの例としてですが 、苦労をしながら、真摯に自分の行動を変えるべく努力をし、結果的に本来の自分らしさに納得しながら近づいていくことなのかもしれないなぁと改めて思いました。

 

IESEに来て、これからの課題

現在IESEに来て1年半が過ぎ、フラットな関係性の友人に囲まれ、素晴らしい街、日本人とは全く違った価値観を持つヨーロッパに身を置く中、より自然体で時間を過ごしてきました。

 

そんな 自分が感じる現在の課題意識を列挙してこのブログを締めたいと思います。

 

 -なんのために生きてるんだろう?

 -自分にとっての本当の幸せってなんだろう?

 -元の世界に戻れるだろうか?

 -結局、自分は何ができるんだろう?

 -いっぱい苦手な事や知らない事がある事を知ったけど、どうしよう。

 -リーダーになりたいの?本当に?

 

いろいろ経験して、学んだつもりでしたが、改めて未熟なひよっこな自分に気づきました、笑。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

 

 

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