IESEのMBAプログラムは、1年目にストラテジー、アカウンティング、マーケティング等のコアプログラムを履修することで経営者に必要な知識を習得し、2年目で各自の志向に応じて専門分野を選択するという構成となっています。
IESEの1年は、9月から12月、1月から3月、4月から6月の3学期から構成されます。1学期に受ける必要のある授業は約6コマあり、1日3コマの授業があります。(1年生1学期の授業:Marketing Management, Analysis of Business Problems, Financial Accounting, Capital Markets, Decision Analysis, Leadership)
1年生の間、学生の一日はチームメンバーとの議論で始まります。チームごとにミーティングルームが用意されており、学生は朝8時頃に集まり、9時30分からの授業開始まで、その日のケースについて議論します(集合時間、議論のやり方、宿題のアサイン等、チームミーティングの運営方法は基本チームに委ねられています)。授業は午前中に2コマ、2時間のランチブレイクを挟んで午後に1コマあります。オプションでスペイン語を取っている場合(必修ではありません)は、この後に90分のスペイン語授業があります。なお、2年生になると上記のような与えられたチームでのチームワークは無くなり、基本的には個人ベースの活動となります。
学生のワークロードは正直タフです。ケースの予習には、きちんと準備すると日本人の場合1ケースあたり3時間程度必要です(なお、ネイティブの学生でも2時間は最低必要というケースが殆ど)。仮に1ケース3時間とすると3つで計9時間、スペイン語が終了する17時30分からノンストップで勉強したとしても、終了時刻は夜中の2時30分となります。朝は8時からミーティングなので6時30分に起床すると、平均睡眠時間は4時間程度になってしまいます。流石にこのペースで勉強を続けている学生は少ないものの、ネイティブの学生含め殆どの学生は睡眠時間を削って毎日必死に勉強しています。ワークロードについては、週3日休みの学校と比較するとタフなことは事実ですが、実践的なプログラムであり短期間で得るものが大きいことが魅力です。
学生が必死に勉強する背景の一つにIESEの評価システムがあります。毎学期、クラスパーティシペーション、ペーパテスト、グループワークの結果等に基づき、学生はA、B+、B、B-、Cの5段階で科目毎に評価されます(科目毎に重視されるポイントは異なる)。評価は相対評価で行われ、Cはクラスの10%につきます。このCを1学期の6コマ中2つ取ると呼び出しがあり、1月期で計5つとると追試や面接があります。そこでのパフォーマンスも芳しくない場合は放校となるため、学生には厳しいプログラムとして有名です。